初めて海外ロングをステイした時(その1)

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リタイヤしたら一番やりたかったこと、それは海外で1か月以上ロングステイをすることだった。
今から13年以上も前のことだった。リタイヤした直後は家内を連れてカナダ旅行に出かけた。典型的なガイド付きの豪華なパック旅行だったので家内は大喜びだったが、自分としては6泊7日程度の短期旅行では、リタイア後にやりたいと考えていたロングステイとは程遠いものだった。そこで在職中にネットで情報を得ていた「ロングステイクラブ」に加入して海外ステイの情報を手に入れようと思って東京の例会に参加してみた。その例会ではバリ島に毎年3か月ほどロングステイをしているという会員からバリの滞在ホテルや物価や、観光地や医療事情、フライトの情報などについて具体的な説明があった。よかったと思い、それからメールのやり取りが始まり、バリ島の情報と滞在先のホテルアリッツの紹介を受けた。そのホテルの場所は日本人のパック観光客のほとんどが宿泊する南のクタビーチとは真反対のバリ島の北側にあるサヌールビーチに位置している。デンパサール空港からタクシーで50分ぐらいのところにある。観光客でごった返しているクタビーチに比べ、サヌールビーチは比較的長期に滞在する日本人を含む外国人客に人気がある。

静かでビーチのすぐそばに建つホテルやコンドミニアムの料金はクタビーチに比べて5割ほど安いのが魅力。紹介されたホテルアリッツは、経営者の奥さんが日本人であることも手伝って英語やインドネシア語がしゃべれなくても不自由はしないので常連客が多い。過去、オランダの植民地だったこともあり、リタイアしたオランダ人の夫婦や独り者の滞在者が多かった。私の泊まっていたコテージのお隣は、お年を召した白人女性で、一日中ベランダのデッキチェアに寝そべって本を読んでいた。

ホテルのレストランには洋食もあるが、気にさえしなければインドネシア料理の安いメニューはたくさんあるので別に町中に食べに出なくても済むので安上がりだ。1ケ月借りたのはコンドミニアムではなくコテージのほうだる。部屋の広さも造りも悪くない。室内にはテレビもエアコンもバストイレも冷蔵庫も完備しているので特に問題はない。TVは見てもインドネシア語なのでさっぱりわからない。今でこそWiFi完備でネット経由で日本のテレビを自由に視聴でき、Youtubeでいろんな情報が得られるが当時はそうはいかなかった。島の観光に出るにもガイドブック「地球の歩き方」が唯一の頼りだった。

宿泊を始めて2~3日もすると次第に様子が分かってくる。日本人のロングステイヤーと朝食時に知り合いになり、島の観光名所や街のタクシーを使っての島内観光などの情報をいろいろ教えてくれるようになる。ホテルのレストランの前に海が見える広い中庭があり椰子やその他の熱帯の樹木に囲まれたプールがある。食後のコーヒーを飲みながらゆったりとした時間を過ごす。

中庭は熱帯の花が咲き乱れている
レストラン前のプール

バリにきて初ロングステイを始めたばかりなので、何もかもが珍しく興味をそそられる。時間に縛られない自由な時間がたっぷりあるのでカメラを片手に好奇心に任せて毎日、島中を歩き回った。まずはホテル前のビーチから散策開始。

無数にあるヒンズー教のお寺や彫像、地元の博物館や美術館、一般公開している小さな織物工場。交通ルールなどあってなきがごとき大通りの車の群れと渋滞。そこを横切るときの怖かったこと。旅行保険を掛けてきてよかったと何度思ったか知れない。地元の写真を撮ったりレストランや土産物店に立ち寄ったりしていると時間のたつのは早い。南国の夕暮れは予想以上に早く来る。ホテルに戻るには安くて使い勝手のよいタクシーのお世話になる。タクシーの中で運ちゃんとおしゃべりをするのだが、こちらはジャングリッシュとあちらはバリグリッシュだが結構話が弾む。そうこうしているうちにホテルにつく。部屋に戻って日本から持ってきた乾麺やレトルト食品がまだ大量にあるので、それらを温めて途中で買ってきたバナナやマンゴウと免税のスコッチウイスキーで夕食をとる。食後はベッドに寝っ転がってBGMでパソコンに入れておいたポピューラ曲やJポップを聞きながら静かな時間を過ごす。誰にも、時間にも、仕事にも縛られない悠々たる時間の中でロングステイの夜が更けていく。

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